中道農園の土づくり
おいしいお米は、おいしい土から
秋の収穫が終わると、来年に向けて土づくりの始まりです。
ほっと一息つく間もなく、次のお米作りはもう始まっています。
たい肥づくり
まずはたい肥を作ります。
中道農園の無農薬米作りに欠かせないたい肥は、稲わら、籾がら、竹粉、酒粕などを混ぜ合わせて作っています。
動物の排泄物は一切使わず、じっくりと時間をかけて発酵熟成させます。
こうしてできたケイ酸質たっぷりのたい肥は、稲の病気や虫への抵抗力を強くするだけでなく、お米の美味しさを高める大切な役割もあるのです。

たい肥まき
出来上がった大量のたい肥をローダーで積み込み、大型たい肥まき機で田んぼの土の力に合わせて均一にまきます。
米ぬか、おから、くず麦、くず大豆、カニ柄、魚粉などもまくことも。
こうすることで微生物の活動が活発になり、土が元気になります。

だんがん
だんがんとは、土の中にモグラのように穴を開けて、水はけを良くし、酸素が届きやすくして、作物の根が伸びるのを助ける作業です。
土の中に突き刺す鉄のかたまりが鉄砲の弾丸に似ていることから、「だんがん(弾丸)」と呼ばれています。

冬期湛水(とうきたんすい)
雨を利用して田んぼに水を溜め、代掻きをし、春まで自然そのままに任せておきます。
この農法を冬期湛水といいます。
冬期湛水をすると、田植え後、稲の根にいたずらをするガスの発生を今のうちに出しておくことができたり、雑草が生えにくくなる、という利点があります。
さらに、白鳥などの水鳥や、カエル、虫、いろいろな微生物と共存できる田んぼにもなります。

土壌の健康診断
稲に必要なミネラルが土の中に含んでいるか?田んぼに生きる微生物が住みやすいか?という観点から、土の栄養状態やバランスを測定します。

機材による測定はもちろん、農園長は、なんと土を食べて測定します。
一般の田んぼの土は口にすると苦味がありますが、健康な田んぼの土は甘みがあります。土を食べて、土の状態を体で感じるんですね。
土を食べる。これには初めスタッフもびっくりでしたが、土壌に化学肥料や農薬を使っていないからこそ、なのですね。

これからも丁寧な土づくりを
土に栄養が多ければ良いというわけではありません。栄養価が高いと収穫は多くなりますが、その分美味しさは劣ってしまいます。大切な事は、栄養価が少なくても、微生物の構造が安定し、活発であることなのです。
微生物のバランスの上に、小さな努力の積重ねがプラスされて初めて、よい土おいしいお米になります。
奥深い土づくり
お米作りの中で最も手間と労力がかかるのが土づくりです。さらに無農薬栽培に適した「土づくり」を目指して、終わりなき試行錯誤は、とても楽しい課題です。