2024.07.25 農園日記
持続可能な農業で未来に紡ぐお米、「きらみずき」
滋賀から新たな挑戦ー
持続可能な農業で未来に紡ぐお米、きらみずき
中道農園では2023年より滋賀県産まれの新品種「きらみずき」を栽培。
きらみずきには、持続可能な農業で自然との共存し、未来の子ども達に豊かな自然と食の安全を継承するという私たちの強い決意と願いを込めています。
1. 背景ー異常気象の脅威
豪雨、猛暑、干ばつ・・・
例年、異常気象が頻繁に起こり、全国各地で大きな被害をもたらしています。
異常気象は私たち農家にとっても苦難の日々をもたらし、稲の生育にも大きな影響を与えています。
豪雨が降り続くと、日照不足で水温が下がり、稲は弱ります。
猛暑が続くと、強烈な日差しに葉は焼け、病気になります。
干ばつが訪れると、稲は水分を吸収できず、枯れてしまいます。
大切に育ててきた稲たちを守りたいー
そんな私たちの願いは、例年続く異常気象の脅威を前に、より深い意味を持つようになりました。
2. 未来への不安と答え
異常気象の影響は、稲だけではありません。
田んぼで働く私たち農家は、異常気象への対応に追われ、夜も眠れぬ日々が続きます。
大きな自然の力を前に、ただただ呆然と立ち尽くすこともありました。
無力感を感じたことも一度や二度ではありません。
これらの試練は、私たち農家にとって、ただの天災ではありません。
厳しい異常気象は年々深刻化する傾向にあり、先の読めない未来に対する不安は、私たち農家の心を押し潰すこともあります。
稲が弱り病気になった時、農薬や化学肥料を使うと解決できることもあるでしょう。
しかし、私たち中道農園は、有機栽培と自然栽培の農家です。
農薬や化学肥料に頼ることはありません。
経済と効率を追い求め、農薬を使い、自然環境や自身の体も壊したあの頃に戻ることもありません。
私たちの願いは、持続可能な農業で自然との共存すること。
そして、未来の子ども達に豊かな自然と食の安全を継承すること、です。
私たちは決して諦めません。
そこで私たちは、同じ思いをしている農家の仲間や、専門家のみなさんと新たな解決策を模索。
新品種の試験栽培から共に取り組み、様々な農法や新しい品種を何度も挑戦。
自然との共存を模索し続けました。
そしてようやく1つの答えに出会いました。
それが「きらみずき」です。
3. きらみずき
「きらみずき」は、滋賀県で開発された新品種です。
強靭な生命力をもった父親の「滋賀69号」と、甘くて美味しい母親の「にこまる」から誕生。
父と母から受け継いだ優秀な遺伝子により、ふっくらとした食感と優しい甘みを兼ね備えた品種です。
私たちは、滋賀県特有の自然条件と、滋賀の土地にあう種、きらみずきに可能性を見出しました。
4. きらみずきの有機栽培に挑戦
私たちは「きらみずき」を育てることに挑みました。
栽培方法は、私たちが専門とする環境に優しい農法「有機栽培」で栽培。
有機栽培とは、農薬や化学肥料を一切使用しない農法です。
多くの稲は、除草剤や薬品を使って栽培する前提で品種改良されています。
そのため、病気や虫に弱くなりやすい特性があります。
しかし私たちは、除草剤や薬品、化学肥料を使わず有機栽培で栽培。
地元、琵琶湖の水源の環境を守りながら、琵琶湖の清水で大切に育てました。
すると、きらみずきは、今までの稲にはない強さを見せました。
滋賀の土質(どしつ)に適応するDNAを持ち、地面にしっかりと根をはりました。
初期生育も良く、水と養分をたっぷりと吸い上げ、茎も太く育ちました。
夏の猛暑も豪雨も台風も見事に乗り越え、秋には、甘くて美味しい実をなしました。
5. 豊かな自然と食の安全を継承する
私たちにとって、きらみずきは、新しいお米を育てること以上の意味があります。
きらみずきには、持続可能な農業で自然との共存し、未来の子ども達に、豊かな自然と食の安全を継承するという私たちの強い決意と願いを込めています。
その取り組みは評価いただき、2022年には日本で初めて環境に優しい農業「グリーンファーマー」に認定いただきました。 (環境負荷低減事業活動実施計画が認定されました。)
この認定は、環境に配慮した農法を実践し、未来の食と自然を守るための努力を認めていただいた証です。
持続可能な未来に向けて一歩を踏み出すことー
みなさまの食卓できらみずきをお召し上がりいただくことで、私たち中道農園の取り組みを応援していただけると幸いです。
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