2011.03.13 農園日記
「土を食べる!」 おいしいお米への挑戦!
有機農業を進める中、苦しいことが多い日常ですが、
ときどきうれしいことがあります。
それは、お客さんからの電話です。
「知人のところにも、お米を送ってくれますか?」お話を聞き進めると、
お客さまの知人は、有名な米産地の比較的高価なお米を契約購入されていたのですが、
たまたま、遊びにこられた際に僕の育てたお米を食べて、おいしさに驚かれたようです。
僕にとってはうれしいお話ですが、たまたま僕のお米がおいしかった???
ところで、農家のだれもが「自分のお米が一番」と思っているのですが、僕はちがいます。
本当においしいお米は、世の中に沢山あります。 平成二年のことです、「新潟県南魚沼のコシヒカリ」を頂きました。お米を生産する農家として強烈なショックを受けました。
「本当に、お・い・し・い・!」
まず、ツヤがあり、とても良い香り、噛めば噛むほど味がある。
体に電気が走りました。
この衝撃が、ぼくの「おいしさへの挑戦!」の、始まりになったのです。
まずは自分のお米の実力調査です。 全国にいる生産仲間から試食用にお米を取り寄せ、スタッフみんなで ごはん、ゴハン、ゴハン、・・・
そこで最初にわかったのは、一般に知られるお米のブランドが意外にあてにならないことです。
ブランド的に当時あまり目立たなかった「長野県」のお米がおいしかったり、
おいしいはずの「○○県コシヒカリ」が、お値段が高いだけで、全然おいしくなかったり・・・・
次に、お米はなぜおいしくなるのか・・・?
水、土の質、気候、農家さんの思い入、技術、ets,,,,
それをひとつ,ひとつ、分析解明し、自分で改善できること、出来ないこと、(気候はどうしようもない)
に分けて、出来ることの実践を始めたのです。(詳細は企業秘密)
「あれからもう15年!」
一番苦労と時間がかかるのが 土を育てることです。
栄養価が多い土は、収穫量は多いのですが、味が上がりにくくなります。
田んぼの土の栄養の量は、どうも一般の半分ほどがよさそうです。しかし栄養価が少なくても、微生物の構造が安定し活発であることが大切なようです。
むずかしい話になってきましたが、簡単に言えば 「田んぼの土を食べて、おいしいか?」
一般の田んぼの土は口にすると 「苦い」 しかし、健康的に育った田んぼの土は口にしてもいやな刺激がなく 甘くなります。
この土の条件の上で細かな努力がプラスされ、おいしいお米が育つのだと僕は考えています。
まだまだ自慢できる味には到達していませんが、お客さまの声をお聞きする中で、少しは食味が向上しているようです。
この挑戦課題は 「一生もの」のようですね。 中道唯幸
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